ニュークレスト
ヒルサイド・ハイランド
ジェイコブ:
「……で、釣ったのはただのゴミだったっていうオチだ」
ケイト:
「やっぱり。
初心者がそんな簡単に大物なんて釣れるわけないでしょ!」
サマンサ:
「でも、アーサーは釣ったんだよね?」
ケイト:
「凄いじゃない。
さすが、やるわね。今日の夕食に使えそう?」
アーサー:
「いや、だから小さいやつだったんだって。
キャッチアンドリリースだよ」
ジェイコブ:
「まあ、とにかくな。
少なくとも俺には釣りは向いてないことがわかったわ。
ひたすらに退屈だ。待ってらんねえ」
アリシア:
「あたしもジェイコブに同意~。
釣りよりもあたしはチェスよ!チェス!」
サマンサ:
「もう。チェスよりも絵でしょ?アリシアは」
ケイト:
「ああ、そうだわ。
私今度から芸術面を担当することになったんだけど、
後でちょっと皆に意見を聞きたいの。良いかしら?」
ジェイコブ:
「それなら音楽記事のボリューム多くしてくれよ。
……お。そろそろ決着付きそうだな」
アリシア:
「か~っ、サマンサ相変わらず強すぎ!参りました!
次はもうちょい手加減して!」
サマンサ:
「ふふふ、ごめん。アーサーも一局どう?」
アーサー:
「俺?」
アリシア:
「アンタとかマジイージーモード~。相手になるの?」
アーサー:
「(……こいつ、今めっちゃ負けてたくせに)」
アリシア:
「あたしが先手になるけど良いの?
言っとくけど手加減しないからね」
アーサー:
「(口だけは達者なんだよな)
どっちでも良いよ」
「さて……」
「(……余裕で勝てる)」
アリシア:
「アンタ勝ったと思ってるでしょ!勝負はここからだよ!」
「こう動かすと?」
アーサー:
「お前、きったね!」
「………………」
アリシア:
「おーっとっと、長考ですかあ?手が止まってますよ~?」
アーサー:
「……と、見せかけて?」
アリシア:
「なぬ!?」
アーサー:
「策士策に溺れる。チェックメイト」
アリシア:
「あれ~?
おっかしいな、あたし腕落ちたかな~?」
アーサー:
「修行が足りないな。言うことは?」
アリシア:
「くっそー!!参りました!!
ていうかアンタじんましん出てるよ!?」
アーサー:
「お前のせいだよ!」