#05 「依頼」

- 数日後 -

ケイト:
「サマンサ、ありがとう。
これで『取材』はとりあえず終わりよ」



「助かったわ。おかげで良い記事が書けそう」

サマンサ:
「私大した意見言ってないけど……」

ケイト:
「そんなことないわ。貴重な意見よ。
ジェイコブは何て言ったと思う?
音楽記事を増やせしか言わないから、せめて3つくらいは何か言ってって言ったら……
1、音楽記事を増やせ。あとの2つもそれだって」

サマンサ:
「あははっ!ジェイコブらしい」

ケイト:
「少しはアーサーを見習ってほしいわ。彼は真っ当な意見だった」

サマンサ:
「彼は『紳士』だもの」

ケイト:
「まあ、アリシアなんか一面まるまる書けそうなぐらいの意見だったから
逆にまとめるのが大変になるわ。
インタビューに費やした時間はそうね……3時間くらい」

サマンサ:
「3時間!?」

ケイト:
「しかもその3時間ほとんどがイアン・ターナーの話よ!凄いでしょ!」

サマンサ:
「イアン・ターナーって、あの?」

ケイト:
「そう。世界的に有名な若手画家ね。
彼の作品には何十万シムオリオン……気の遠くなるような高値が付けられる。
是非一度取材に行ってみたいけど、メディアにあまり露出しないからつかまえるのが大変でしょうね」

サマンサ:
「イアン・ターナーかあ……」

ケイト:
「どうしたの?」

サマンサ:
「ああ、あのね。
私の友達が今カフェで働いてるんだけど、店に絵を飾りたいって言ってたんだ。
イアン・ターナーは無理でも、アリシアにお願いしてみようかな」

- そして… -

アリシア:
「あたし!?」

サマンサ:
「うん。一枚描いてもらえない?お金は……」

アリシア:
「いやいやっ!それは良いんだけど。別に。
じゃなくて、あたしなんかの絵で良いの?」

サマンサ:
「うん!絶対友達も気に入ってくれると思うし」

アリシア:
「……うーん……」

サマンサ:
「……難しい?」

アリシア:
「……それってさ、いつまでに仕上げれば良い?」

 

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