- 数日後 -
ケイト:
「サマンサ、ありがとう。
これで『取材』はとりあえず終わりよ」
サマンサ:
「あははっ!ジェイコブらしい」
ケイト:
「少しはアーサーを見習ってほしいわ。彼は真っ当な意見だった」
サマンサ:
「彼は『紳士』だもの」
ケイト:
「まあ、アリシアなんか一面まるまる書けそうなぐらいの意見だったから
逆にまとめるのが大変になるわ。
インタビューに費やした時間はそうね……3時間くらい」
サマンサ:
「3時間!?」
ケイト:
「しかもその3時間ほとんどがイアン・ターナーの話よ!凄いでしょ!」
サマンサ:
「イアン・ターナーって、あの?」
ケイト:
「そう。世界的に有名な若手画家ね。
彼の作品には何十万シムオリオン……気の遠くなるような高値が付けられる。
是非一度取材に行ってみたいけど、メディアにあまり露出しないからつかまえるのが大変でしょうね」
サマンサ:
「イアン・ターナーかあ……」
ケイト:
「どうしたの?」
サマンサ:
「ああ、あのね。
私の友達が今カフェで働いてるんだけど、店に絵を飾りたいって言ってたんだ。
イアン・ターナーは無理でも、アリシアにお願いしてみようかな」
- そして… -
アリシア:
「あたし!?」
サマンサ:
「うん。一枚描いてもらえない?お金は……」
アリシア:
「いやいやっ!それは良いんだけど。別に。
じゃなくて、あたしなんかの絵で良いの?」
サマンサ:
「うん!絶対友達も気に入ってくれると思うし」
アリシア:
「……うーん……」
サマンサ:
「……難しい?」
アリシア:
「……それってさ、いつまでに仕上げれば良い?」