ケイト:
「ね?驚いたでしょ。
今荷造りしてるわよ。
来週、ウィロー・クリークに戻るんですって。
急な話で……」
「……?」
ジェイコブ:
「……」
「引っ越すのか?」
サマンサ:
「……」
ジェイコブ:
「何で急に……」
サマンサ:
「…………」
ジェイコブ:
「黙ってちゃ分からねえだろ」
サマンサ:
「…………暮らせる?」
ジェイコブ:
「……あ?」
サマンサ:
「今まで通り同じように接してくれる?」
ジェイコブ:
「…………。
ちょっと待てよ。
その前にお前に話が……」
サマンサ:
「良いの。
私が軽率だっただけだから。
でも、もうここにはいられない。
だから出てく。それだけ。
迷惑かけないから……」
ジェイコブ:
「おい……」
サマンサ:
「妊娠してごめんね」
ジェイコブ:
「おい、サマンサ!」
サマンサ:
「ううっ…………う……」
「(馬鹿だな私。
悲しくて悔しいのに。
何でまだ彼を嫌いになれないんだろう)」
ジェイコブ:
「開けてくれ。
サマンサ……」
サマンサ:
「……」
ケイト:
「……」
ジェイコブ:
「……」
ケイト:
「……」
「ジェイコブ。今日も頼むぜ」
ジェイコブ:
「おう」
「……フーッ」
「あ、アレか?
アーサーの幼馴染っていう……」
サマンサ:
「はい。
サマンサです」
ジェイコブ:
「サマンサか。
俺は……」
サマンサ:
「ジェイコブ」
ジェイコブ:
「おっ!
何で知ってるんだ?
……ああ、アーサーから聞いたのか」
サマンサ:
「ううん。
前にライブに行ったことがあって、それで……。
CDも持ってる!」
ジェイコブ:
「おいおい、マジか。
貴重なファンだな」
サマンサ:
「妊娠してごめんね」
ジェイコブ:
「……」
「ちょっとな、話あるんだ」
「話?」
ジェイコブ:
「おう。
俺のギャラ上げてくんねえ?
いくら何でも300は少ねえわ」
「いきなりかよ。
まあ、良いぜ。いくら?」
ジェイコブ:
「1250」
「ぶっ……はは!!
……冗談かよ」
ジェイコブ:
「月4回200人集めて1人あたり1250シムオリオン。
妥当じゃねえの?」
「……あのさあ」
ジェイコブ:
「マジだ」
「お前のセンスは買ってるよ。
けど1250なんて払えない。
そもそも200人なんて集まるわけないだろ」
ジェイコブ:
「そこを集めんだよ、お前」
「無茶だ。
それこそ、ベラミーんとこの坊っちゃんでも呼ばないと」
ジェイコブ:
「だったら他に行っても良い。
ちょうど新しくバンドを組むことになったからな」
「ちょ、ちょっと勘弁してくれよ……。
話が違う。
急に抜けられても困る。
お前とは喧嘩したくない」
ジェイコブ:
「俺もしたくねえ。
じゃあ500だ。
正直500も稼げねえようじゃしょうがねえ」
「500……」
ジェイコブ:
「じゃあ800」
「500で!」
ジェイコブ:
「よし、決まりだ。
後な、ちょっと相談があるんだ」
「な、何だよ。
まだあるのか?」
ジェイコブ:
「実はな……」