ブリジット:
「あ~、生き返る!」
サマンサ:
「本当。
行き倒れになるところだったね」
ブリジット:
「ふふふ。危うくね」
「……さて、サマンサさん。
本日は『ビッグニュース』があるそうですが?」
サマンサ:
「……はい。
私はこの度、ジェイコブ・ナイトレイさんと結婚することになりました」
ブリジット:
「えっ!!結婚!!」
「おめでとうっ!!!」
サマンサ:
「ありがとう。
一番にブリジットに報告したくて」
ブリジット:
「良かった。本当に良かった」
サマンサ:
「そうよね。
余計な心配させちゃってごめんね」
ブリジット:
「それは良いの良いの。
でも、ちょうど電話しようとしてたの。
ちゃんと言えたのかなあって思ってたから」
サマンサ:
「おっしゃるとおり、なかなか言えなかったけど……。
悲観してたのは私だけだったみたい。
あんなに泣いて思い悩んだのって一体何だったんだろう」
ブリジット:
「言ったら喜んでくれたのね?」
サマンサ:
「最初は驚いてた。
だけど……嬉しいって言ってくれた。
パパになるのが楽しみだってことも。
急展開でびっくりよ。
プロポーズを受けることになるなんて思いもしなかった」
ブリジット:
「泣いた?」
サマンサ:
「うん。
あのプロポーズは一生忘れられないと思う」
ブリジット:
「どんな言葉だったかは今日は聞かないでおくね」
サマンサ:
「うふふ。今言うのはちょっと恥ずかしい。
50年経ったら教える」
ブリジット:
「50年も先なの~?」
サマンサ:
「そう!」
ブリジット:
「そしたら50年後、忘れずに楽しみにしてる。
うーん……これでジェイコブも安全ね。
私の飛び蹴りを食らわずに済んだんだもん!」
サマンサ:
「あはは、本当ね!」
「それから、ブリジットと話した後、私たちはフラットの皆に報告したの」
アリシア:
「え?は?何?」
ケイト:
「…………」
アーサー:
「……」
サマンサ:
「皆の驚いた顔。吹き出しそうになった」
ジェイコブ:
「どうだお前ら。驚いたか」
アリシア:
「……………………脅されたの?」
ジェイコブ:
「何でだよ」
サマンサ:
「うふふ。違う違う」
イアン:
「おめでとう!」
ジェイコブ:
「へっへ。先生。
ありがとう、だぜ」
ケイト:
「これで合点がいったわ。
引っ越しってそういうことだったの?」
サマンサ:
「あー……ううん。
それはちょっと事情があってナシ。
私たち、ウィンデンバーグに引っ越すことにしたの」
アリシア:
「え~!やっぱり引っ越すんじゃん!」
サマンサ:
「ここは子ども禁止でしょ?」
ケイト:
「何も急がなくても良いじゃない。
もう少しいたら?いつ出産なの?」
サマンサ:
「予定だと3月」
アリシア:
「3月なんてまだまだ先じゃん!」
サマンサ:
「え……。でも」
アーサー:
「引っ越しは延ばせないのか?」
ジェイコブ:
「まあ……延ばせなくはねえな」
イアン:
「じゃあ、そうしなよ。
何かあったら僕らも手伝えるし」
ジェイコブ:
「ん?……気持ちはありがたいぜ。
でもな、お前ら仕事があんだろ。
頼むわけにはな……」
アリシア:
「だーめー!
とにかく引っ越し反対~~~~!!」
アーサー:
「……というわけだ。
諦めた方が良い」
サマンサ:
「急に寂しくなるのが嫌なんだって。
私たちも……皆と別れるのは寂しい。
……結局2か月、いさせてもらうことになったの」
「…………そして、とうとう引っ越しの日になった」
ケイト:
「行ってしまうのね。
せっかくイアンが入ったのに、また寂しくなるわ」
アリシア:
「ジェイコブ、浮気すんなよ~!
サマンサ、いつでも帰ってくるんだよ!」
サマンサ:
「ありがと。でも平気よ。
だって、しないよね。そんなこと」
ジェイコブ:
「お、おう」
アーサー:
「気を付けてな」
サマンサ:
「ありがとう。
アーサーも、ブリジットと早く一緒に住んじゃえば?(笑)」
アーサー:
「なっ!?何を言って……!!」
イアン:
「落ち着いた頃、遊びに行って良い?」
ジェイコブ:
「そりゃあ勿論。
エイリアン以外なら大歓迎だ」
ジェイコブ:
「ほら!
見えんだろ。アレだ、アレ」
サマンサ:
「あっ!あの家ね?」
ジェイコブ:
「到~着!」
「……どうだ?
こうして見ると結構良い家だろ?」
サマンサ:
「本当……」
「あっ!」
ジェイコブ:
「!?」
サマンサ:
「今お腹蹴ってる……!」
ジェイコブ:
「マジか!!」
サマンサ:
「あなたも気に入ったの?」
ジェイコブ:
「よしよし。分かるのか?賢い子だ。
俺たち家族3人、元気いっぱい楽しく暮らそうな」
サマンサ:
「あっ!また動いた!」
「ウィンデンバーグ、サマーホームが私たちの家。
遊びに来てね」